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2009年08月29日

精神疾患:血液で診断 たんぱく質のデータ判定

ついこの前の新聞で記事になり結構知っている人が多いと思いますが、本当に診断できるようになれば凄いことだと思いますが、精神疾患の人にとって良い場合と悪い場合があるだろうし、いわゆる健常者(一応精神疾患と言う病名を付けられてない人)にとって、良いのか悪いのかよくわかりませんが、今まで全く客観的な診断法が無かった訳ですから一つの判断の基準は作れるでしょうね。

色々とこの記事で関連の事を調べていたら、面白い書き込みを見つけたので勝手に載せさせていただきます。もしその方がココを見られて勝手に載せるなって思われましたら削除しますので連絡してくださいね。


先ずは 以下新聞の記事



 大阪市大大学院医学研究科の関山敦生・客員准教授(43)=心身医学、分子病態学=が兵庫医科大と共同で、うつ病や統合失調症などの精神疾患を判定できる血液中の分子を発見、血液検査に基づく判定法を確立した。問診や行動観察が主流だった精神科診療で、客観的な数値指標を診断に取り入れることができる。疾患の判定だけではなくストレスの強度や回復程度もわかるという。関山准教授は27日午後、京都市の立命館大学で開かれる日本心理学会で発表する。

 関山准教授によると、ストレスや感染などを受けて、生成し分泌されるたんぱく質「サイトカイン」の血中濃度データの差異を積み上げて分析。データをパターン化することで、心身の変調やうつ病、統合失調症などを判定できることが分かった。うつ病や統合失調症について3000人近くのデータから疾患の判定式を作成。別の400人の診断に用いた結果、うつ病の正診率は95%、統合失調症は96%に達した。

 精神疾患の判定だけではなく、健常者に対するストレスの強度、疲労からの回復スピードも数値化した。80人の男女を対象に、計算作業で精神的ストレス、エアロバイクなどで身体的ストレスを加える実験を実施。いずれのストレスを受けたか100%判別することに成功し、ストレスの強度を数値で評価できる方法もつくり出したという。【深尾昭寛】



ココから 以下 面白い記事



精神疾患の血液検査というのは長い歴史があって、もし本当に成功だと昔年の夢の実現、精神医学者はようやく聖杯を手に入れたことになります。

うがった言い方をすれば、精神医学の歴史を少し知っているものなら誰でも、この手の「画期的な方法」が歴史上何度も繰り返し発表され、そのたびに速やかな幻滅が続いたことを思い出すあろう、ってな感じです。

記事とおりなら、「すごいこと」なので、査読の甘い学会発表になんかせず(しかも日本心理学会なんかにせず)、論文にしてNatureに載せちゃえばってくらいの話です。

最近では、2005年に精神病患者の血液からRNAを採取して検査すると、統合失調症と躁鬱病を区別して診断できる方法が発見されたという報告があったそうです。下記につけた論文は、2005年の報告がもとにしている、精神病患者の血液・血清を検査することで診断しようという過去の試みを概観してます。

実のところ、精神医学史研究の中で、あまり注目されていないトピックでして、下記論文の筆者によると、この種の研究の嚆矢は1855年に発表されたスコットランドの精神病院の医者のW.L. リンゼイによる血球カウント法だそうです。精神病院でさまざまな診断を下された患者や、健常なスタッフなどから血液を採取して、赤血球や白血球の数などを顕微鏡下で数えたもの。結果は「役に立たない」だったという。

1890年代には内分泌系への注目(クレペリンの自家中毒仮説)があったあと、1910年代には同時代の細菌学・血清学・免疫学の興隆を受けて、1909年にはコブラの毒を分裂病患者(歴史的名称としてこの言葉を使います)などに注射して反応があったという報告があり、これはニューヨークタイムズの記事になりました。

1913年にはスイスの生化学者がもともと妊娠判定用に作った試薬を用いて、分裂病と躁鬱病、そして精神病と健常者の区別に役立つという検査が発表されて話題を呼びました。(これもNYタイムズの記事になったそうです)。この検査法は、賛否両論でしたが、結局数年で使えないことがわかりました。

梅毒のワッセルマン検査に触発された方法で、精神医学が繰り返してきた科学的・客観的な診断法の確立への失敗した努力の一エピソードです。

論文は、
Noll, Richard, “The Blood of the Insane”, History of Psychiatry, 17(2006), 395-418.
アブストラクトはここ /有料ですが本文も入手できます。
http://hpy.sagepub.com/cgi/content/abstract/17/4/395?rss=1
posted by merikuson at 20:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康法・知識
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